やりたいことの見つけ方|過去から掘る・価値観から探る・いまの暮らしから探る・重なりで絞る、4つの入り口と手法の使い分け

やりたいことがわからないときに使える方法を、過去から掘る、価値観から探る、いまの暮らしから探る、重なりで絞る、の4つの入り口に分けて整理します。モチベーショングラフ、価値観リスト、人生の輪、Will-Can-Must、ikigaiチャートなど、それぞれの手法で何がわかるかと選び方、候補を小さく試すためのシートまで紹介します。

4コマでわかるやりたいことの見つけ方|過去から掘る・価値観から探る・いまの暮らしから探る・重なりで絞る、4つの入り口と手法の使い分け

やりたいことがわからないとき、頭の中だけで「自分は何がしたいのか」を考え続けても、なかなか答えは出てきません。やりたいことは、ゼロから思いつくものというより、これまでの経験や、大事にしたいこと、いまの暮らしの中にある手がかりから見つけ直すものです。やりたいことを見つける方法は、どこから手がかりを集めるかで4つの入り口に分けられるので、いまの自分に合う入り口から始めると、遠回りせずにすみます。

知りたいことから選ぶ早見表

知りたいこと・やりたいこと合う入り口主な手法このサイトの解説
夢中になれた経験から、やりたいことの手がかりを探したい過去から掘るモチベーショングラフモチベーショングラフ
これまでの人生全体から、くり返し惹かれてきたものを見つけたい過去から掘る自分史自分史
自分が大事にしたいことを、言葉にしたい価値観から探る価値観リスト価値観ワーク
仕事で、これだけは手放したくないものを知りたい価値観から探るキャリアアンカーキャリアアンカー
いまの暮らしの中で、満たされていない分野を知りたいいまの暮らしから探る人生の輪人生の輪(ライフホイール)
毎日の中で、心が動いたことを集めたいいまの暮らしから探るジャーナリングジャーナリング・モーニングページ
やりたいことの候補を、できること・求められることと重ねて絞りたい重なりで絞るWill-Can-MustWill-Can-Must・ikigaiチャート

迷ったら、過去から掘る入り口か価値観から探る入り口を1つと、重なりで絞る入り口を1つ組み合わせてみてください。経験や価値観から出てきた候補を、できること・求められることと重ねると、「いつか」ではなく「いまから試せる」やりたいことに近づきます。

入り口を選ぶ3つの軸

やりたいことを見つける入り口は、過去から掘る・価値観から探る・いまの暮らしから探る・重なりで絞るの4つです。どれから始めるかは、次の3つの軸で選ぶと決めやすくなります。

候補が「まったくない」か「ぼんやりある」か。思い浮かぶものが1つもないなら、手がかりを集める入り口(過去から掘る・いまの暮らしから探る)から。ぼんやりした候補がいくつかあるなら、価値観から探る入り口で理由を確かめるか、重なりで絞る入り口で優先順位をつけるのが合います。

仕事の中で探すか、仕事の外も含めて探すか。仕事のやりたいことを探すなら、キャリアアンカーやWill-Can-Mustのように、仕事を前提にした手法が使いやすいです。趣味や暮らしも含めて探すなら、人生の輪や自分史のように、仕事以外の分野まで見渡せる手法から始めると、候補を取りこぼしにくくなります。

まとめて考えるか、毎日少しずつ集めるか。週末に時間をとって一気に整理したいなら、モチベーショングラフや価値観リストのように、1〜2時間で形になる手法が向いています。まとまった時間がとれないなら、ジャーナリングで毎日の「心が動いたこと」を1行ずつ集め、2〜3週間たってから読み返す続け方が合います。

やりたいことを見つける4つの入り口

過去から掘る

これまでの出来事を書き出して、時間を忘れて取り組んでいた場面や、頼まれていないのに続けていたことをたどる入り口です。手がかりがすべて自分の経験から出てくるので、見つかった候補に「なぜそれに惹かれるのか」の理由がついてきやすいのが特長です。

モチベーショングラフは、やる気の上がり下がりを1本の線で描き、上がっていた時期に何をしていたかを掘ります。自分史は年表の形で人生全体を振り返るので、時期が違ってもくり返し出てくる「好きだったこと」「惹かれていたもの」が見つかります。

子どものころに好きだったことまでさかのぼると、いまの仕事とは関係なさそうな候補も出てきます。そうした候補も、この段階では消さずに残しておくのがおすすめです。

価値観から探る

自分が大事にしたいこと、これだけは手放したくないことを先に言葉にして、そこからやりたいことを探す入り口です。「何をしたいか」がわからなくても、「どうありたいか」「何を大事にしたいか」は答えられることがあり、そこから候補を逆算できます。

価値観ワークは、価値観を表す言葉のリストから自分に合うものを選び、3つまで絞っていく手法です。キャリアアンカーは、仕事を選ぶときにどうしても譲れないものを8つのタイプで整理します。大事にしたいことを1文にまとめたいときはミッションステートメント、なぜそれをしたいのかから考えたいときはゴールデンサークルも使えます。

価値観が言葉になると、やりたいことの候補が複数あるときに、どれが自分の大事にしたいことに近いかで比べられるようになります。

いまの暮らしから探る

いまの毎日の中にある満足や不満、心が動いた瞬間から、やりたいことを探す入り口です。過去や理想ではなく、いまの自分が実際に感じていることを手がかりにするので、現実に近い候補が見つかりやすくなります。

人生の輪(ライフホイール)は、仕事・お金・健康など8つの分野ごとに満足度を点数にして、いま満たされていない分野を見える化します。点数の低い分野は、「本当はもっとこうしたい」というやりたいことの手がかりになります。ジャーナリングやモーニングページで、毎日の出来事や気持ちを書き続けると、「うらやましいと思ったこと」「楽しかったこと」「もやもやしたこと」がたまっていき、読み返したときに共通点が見えてきます。

不満はやりたいことの裏返しであることが多いので、「これが嫌だ」と感じたことも、書き捨てずに残しておくと手がかりになります。

重なりで絞る

ほかの入り口で集めた候補を、「できること」「求められること」と重ねて、いま取り組みやすいものに絞る入り口です。やりたいことが見つからない人だけでなく、やりたいことが多すぎて決められない人にも合います。

Will-Can-Mustは、やりたいこと(Will)・できること(Can)・求められること(Must)の3つの円を書き出して、その重なりを探します。ikigaiチャートは、好きなこと・得意なこと・世の中が求めること・お金になることの4つの円で整理する方法です(由来については手法ページの注意をあわせて読んでください)。

候補が決まったら、マンダラチャートで最初の行動まで分解したり、ジョブ・クラフティングでいまの仕事の中に小さく取り入れたりすると、次の一歩につなげやすくなります。

結果の扱い方と、気をつけたいこと

やりたいことは、小さく試して確かめる。書き出しただけの候補は、まだ「やりたいかもしれないこと」です。1週間以内にできる小さな一歩(本を1冊読む、詳しい人に話を聞く、休日に半日だけやってみる)で試し、やってみてどう感じたかを書いておくと、続けたい候補と、思っていたのと違った候補がはっきりしてきます。

「一生の天職」を1つ見つけようとしない。やりたいことを、一度決めたら変えてはいけないものと考えると、候補を選ぶこと自体が重くなります。いまの自分にとってのやりたいことは、試すたびに変わってかまいません。

人のやりたいことと比べない。まわりの人が夢を語っていると、自分にも同じくらい大きなやりたいことがないといけないように感じることがあります。やりたいことの大きさは人それぞれで、「毎朝ゆっくりコーヒーを淹れる時間がほしい」も立派なやりたいことです。

できること・求められることだけで決めない。重なりで絞る入り口を使うと、できること・求められることに引っ張られて、やりたい気持ちの弱い候補が残ることがあります。重なりで絞ったあとも、価値観から探る入り口で出てきた「大事にしたいこと」に近いかを確かめてみてください。

心の不調を自己分析で判断しない。何をしても楽しいと感じられない、やりたいことを考える気力もわかない状態が続くときは、自己分析の方法で解決しようとせず、医師やカウンセラーなどの専門家への相談を優先してください。自己分析の方法は、病気の診断や治療のためのものではありません。

場面別のおすすめ

  • 就活:志望動機には「なぜそれをしたいのか」が必要なので、モチベーショングラフで惹かれてきた経験を掘ってから、Will-Can-Mustで仕事と重ねる順番が使いやすいです。→就活の自己分析
  • 転職:いまの仕事への不満から出発しやすい場面なので、キャリアアンカーで譲れないものを確かめ、不満の裏側にあるやりたいことを言葉にする組み合わせが合います。→転職の自己分析
  • 副業:本業とは別の候補を探すことが多いので、人生の輪や自分史で仕事以外の分野まで見渡すと、趣味や地域の活動の中にある候補が見つかります。→副業の自己分析
  • 復職:大きな方向転換を急がず、いまの暮らしの中で小さく試せることから探すほうが無理がありません。ジャーナリングで毎日の心が動いたことを集めるところから始めてみてください。→復職前の自己分析
  • 日常:期限がないときは、毎日の出来事を書きためて、2〜3週間ごとに読み返す続け方が気軽です。→日常の自己分析

やりたいこと候補シート(コピーして使える)

どの入り口から見つけた候補も、次のシートに1つずつ書いておくと、試したかどうか・試してどうだったかがばらばらになりません。1つの候補につき1枚、まずは1〜3枚を目安にしてみてください。

やりたいことの候補:
どの入り口で見つけたか(過去から掘る/価値観から探る/いまの暮らしから探る/重なりで絞る):
惹かれる理由(つながっている経験や、大事にしたいこと):
1週間以内にできる小さな一歩(いつ・何をするか):
試してみてどう感じたか:
次の一歩(続ける/形を変える/いったん置く):

やりたいことが見つかったあとで

やりたいことは、一度見つけたら終わりではなく、試すたびに輪郭がはっきりしていくものです。候補シートの「試してみてどう感じたか」の欄に、やってみるたびに1行ずつ書き足していくと、最初はぼんやりしていた候補が、自分の言葉で説明できるやりたいことに少しずつ育っていきます。

よくある質問

やりたいことが1つも思い浮かびません。どこから始めればいいですか?
「やりたいこと」を直接考えるのをいったんやめて、これまでに時間を忘れて取り組んでいたことや、頼まれていないのに続けていたことを3つ書き出すところから始めてみてください。過去から掘る入り口のモチベーショングラフや自分史を使うと、思い出す手がかりが増えます。やりたいことは、ゼロから思いつくものというより、すでにある経験の中から見つけ直すものとして考えると探しやすくなります。
やりたいことが多すぎて、1つに決められません。
候補が多いときは、無理に1つに決めるより、重なりで絞る入り口を使ってみてください。Will-Can-Mustやikigaiチャートで、やりたいことを「できること」「求められること」と重ねると、いま取り組みやすい候補と、もう少し先に回す候補に分けられます。そのうえで、いちばん小さく試せる1つから始めると、迷っている時間を減らせます。
見つけたやりたいことが、本当にやりたいことなのか自信がありません。
書き出しただけの段階で確信が持てないのは、よくあることです。やりたいことは考えて確かめるより、小さく試して確かめるほうが早くわかります。この記事のやりたいこと候補シートで、1週間以内にできる小さな一歩を決めて試し、やってみてどう感じたかを書いておくと、続けたい候補と、思っていたのと違った候補がはっきりしてきます。

どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。