ikigaiチャートの書き方。4つの円で働く意味を整理する——由来の注意つき
ikigaiチャートは、「好きなこと」「得意なこと」「世の中が求めること」「お金になること」の4つの円を重ねて、働く意味を整理する自己分析の手法です。書き方の手順、4つの円が重ならないときの考え方、そしてこの図の由来にまつわる注意点まで解説します。
ikigaiチャートとは
ikigaiチャートは、「好きなこと」「得意なこと」「世の中が求めること」「お金になること」の4つの円を重ねて描き、自分の働く意味がどこにあるかを整理する手法です。4つすべてが重なる中心が理想として描かれますが、実際に役立つのは中心探しよりも、「いまの自分はどの円を満たせていて、どこが欠けているのか」の点検です。なお、この4つの円の図は日本の伝統ではなく欧米経由で広まったものです。経緯は「気をつけたいこと」に書いています。
所要時間と道具
30分〜1時間。紙1枚とペンがあれば足ります。円を4つきれいに描く必要はなく、4つの見出しを立てた箇条書きでも同じ働きをします。
テンプレートは不要で、4つの問いを紙の四隅に書けば、それがチャートの代わりになります。円が描きにくければ、4列の表にしても働きは同じです。
向いている人・場面
- いまの仕事に大きな不満はないのに、何かが足りない感じが続いている人
- 副業を考えていて、何を選ぶかの整理軸が欲しい人
- 「好き」と「稼げる」のどちらを取るかで堂々めぐりしている人
今日明日の転職判断のような、具体的な意思決定にはやや粗い道具です。譲れない条件を絞り込みたい場面では、キャリアアンカーのほうが向いています。
やり方ステップ
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4つの問いに答える: 次の問いに、それぞれ思いつくだけ書き出します。
好きなこと——時間を忘れてやってしまうことは何か。
得意なこと——人より少ない労力でできること、人からよく頼まれることは何か。
世の中が求めること——自分の周りで、困っている人がいること・感謝されたことは何か。
お金になること——いま収入になっていること、お金を払う人がいそうなことは何か。 -
円に配置する: 紙に4つの円を重ねて描き、書き出したものを置いていきます。2つ以上の円にまたがるものは、重なりの部分に置きます。
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いまの仕事を採点する: いまの仕事(学生なら学業や活動)が4つの円のうちいくつを満たしているかを数えます。
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欠けている円への一手を考える: 欠けている円を、転職で埋めるのか、副業や趣味で補うのかを考えます。「好きの円だけが空だから、まず趣味で戻す」のような小さい一手で十分です。
気をつけたいこと
- この図は日本の「生きがい」の説明としては正確ではありません。4つの円の図は、もともとスペインの作家が「目的」を整理するために2011年に作ったベン図で、2014年に別の人物が中心の言葉を「ikigai」に置き換えたことから世界に広まりました。日本語の「生きがい」は、朝の散歩や孫の成長のような、お金にならない日常の喜びも含む広い概念で、「4つが重なる仕事」という条件つきのものではありません。この記事では、由来を承知の上で「働く意味の整理図」として紹介しています。
- 4つすべてが重なる仕事は、ほとんどの人には見つかりません。中心が埋まらないことを自分の失敗と受け取ると、この図はかえって苦しくなります。
- 「世の中が求めること」「お金になること」は、自分ひとりの頭の中では答えが出にくい項目です。空欄のまま進めてかまいません。
やった後の次の一歩
チャートで「欠けている円」が見えたら、それを埋める小さな一手を1つだけ決めて、試した結果を書き残してみてください。「好きの円を埋めるために週1回だけ絵を描いたら、仕事の集中力まで戻った」——そういう実験の記録が貯まると、4つの円は一度きりの図から、暮らしを調整する道具に変わります。働く意味を1文の言葉にまで煮詰めたくなったら、次はミッションステートメントが向いています。どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。
よくある質問
- 4つの円が全部重なる仕事が見つかりません。
- 見つからないのが普通です。4つすべてが重なる仕事を探す図ではなく、「いまの仕事はどの円を満たしていて、どの円が欠けているか」を見る図として使うと役に立ちます。欠けている円を副業や趣味で補う、という使い方も現実的です。
- ikigaiチャートは日本の伝統的な考え方ですか?
- いいえ。4つの円の図そのものは日本発ではありません。スペイン語圏で「目的」を整理する図として作られたものが、のちに欧米で「ikigai」という名前と結びつけられて広まりました。日本語の「生きがい」は、仕事やお金に限らない、もっと広く日常的な概念です。本文の「気をつけたいこと」で詳しく説明しています。
- 転職の自己分析に使えますか?
- 使えます。いまの仕事と転職先の候補を同じ4つの円で採点して見比べると、「収入は上がるが、好きの円が空になる転職」のような構図が一目で見えます。ただし4つの円は粗い整理なので、譲れない条件の深掘りはキャリアアンカーなど他の手法との併用が向いています。
2026年10月5日 更新
どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。