ミッションステートメントの作り方。1文で書ける穴埋めテンプレつき
ミッションステートメントは、自分が何を大切にし、何のために働き生きるのかを文章にしたものです。スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』で広まった背景、1文で書ける穴埋めテンプレート、作ったあとの見直し方まで解説します。
ミッションステートメントとは
ミッションステートメントは、自分が何を大切にし、何のために働き生きるのかを、自分の言葉で文章にしたものです。スティーブン・コヴィーの著書『7つの習慣』が「個人のミッション・ステートメント」として勧めたことで広く知られるようになりました。コヴィーはこれを「自分の憲法」と呼び、日々の選択に迷ったときに立ち返る基準として位置づけています。長い文章である必要はなく、1文から書けます。
所要時間と道具
初稿まで1〜2時間。紙とペンがあれば足ります。一度で完成させる必要はなく、仮の1文を作ってから数週間かけて直していくほうが、結果的に良いものになります。
書籍『7つの習慣』には、自分の葬儀で何と言われたいかを想像する方法など、より深い作り方が紹介されていますが、まず下の穴埋めで仮の1文を作ってから読むほうが、理解が早くなります。
向いている人・場面
- 転職や独立など、大きな選択を前に判断の基準が欲しい人
- やりたいことが多すぎて、何を断ればいいか分からない人
- 自己分析をいくつかやったが、結果がバラバラのままで1本にまとまっていない人
まだ自己分析の材料が何もない状態で書くと、どこかで聞いた立派な言葉の寄せ集めになりがちです。その場合は先にモチベーショングラフや自分史で材料を集めてからのほうが、自分の言葉で書けます。
「なぜそれを大切にしているのか」という理由から掘りたい場合は、ゴールデンサークルで先にWhyを言葉にしておくと、1文の芯が決まりやすくなります。
やり方ステップ
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材料を3つの問いで集める: 次の問いに箇条書きで答えます。
大切にしたい価値観は何か——これまでの選択で、繰り返し守ってきたものを3〜5個挙げます。
誰の役に立ちたいか——顔が浮かぶ範囲でかまいません。家族・後輩・昔の自分、どれも立派な答えです。
自分の持ち味は何か——人からよく頼まれること・ほめられることを挙げます。 -
穴埋めテンプレートで1文にする: 集めた材料を、この型に流し込みます。
私は、(大切にしたい価値観)を大切にしながら、(持ち味・手段)を使って、(誰)が(どうなること)に力を尽くします。
記入例はこうなります。
私は、「正直であること」を大切にしながら、分かりやすく伝える力を使って、仕事で迷っている人が自分で決められるようになることに力を尽くします。
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声に出して読む: 借り物の言葉はここで見つかります。読んでいて照れや違和感のある部分に印をつけます。
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言葉を自分のものに差し替える: 印をつけた部分を、自分が普段使う言葉に直します。「貢献する」より「力を尽くす」、それより「助ける」がしっくりくるなら、それが正解です。
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目に入る場所に置く: 手帳の1ページ目・スマホのメモの先頭など、週に一度は目に入る場所に書いておきます。
気をつけたいこと
- 書いただけでは何も変わりません。ミッションステートメントは、日々の選択で「この誘いは受けるか」「この仕事は断るか」を照らして初めて機能します。額に入れて飾った時点で役目を終える1文にしないでください。
- 立派すぎる1文は、できていない自分を責める道具になることがあります。読むたびに苦しくなる文は、背伸びの合図です。いまの自分が本心から頷ける高さまで下げてください。
- 人生の意味が1文で確定するわけではありません。1文は現時点の仮説で、経験とともに書き換わっていくものです。
やった後の次の一歩
仮の1文ができたら、次の2週間、選択に迷った場面でその1文に照らして決め、結果を書き残してみてください。「ミッションに合うから受けた仕事が、実際どうだったか」の記録こそが、1文を磨く唯一の材料です。働く意味を4つの円で広げて眺め直したくなったらikigaiチャート、仕事選びの譲れない条件に絞りたくなったらキャリアアンカーが隣にあります。どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。
よくある質問
- ミッションステートメントは一度書いたら変えてはいけませんか?
- 変えてかまいません。むしろ、書いた直後の1文は仮置きと考えて、日々の選択で使いながら直していくほうが、実際に機能するものに育ちます。半年か1年に一度、いまの自分に照らして読み返し、違和感のある言葉を差し替える運用が現実的です。
- 立派なことを書かないとだめですか?
- だめではありませんし、立派である必要もありません。「家族と自分の機嫌を守れる働き方を続ける」のような地に足のついた1文のほうが、壮大で借り物の1文より、日々の判断にずっと役立ちます。誰にも見せない前提で、本音で書くのがコツです。
- 会社のミッションと同じものですか?
- 仕組みは同じで、主語が違います。会社のミッションステートメントは組織の存在意義を示すもので、この記事で扱うのは個人版です。『7つの習慣』で勧められているのも、まず個人が自分の憲法として書くことです。勤め先のミッションと自分の1文を見比べると、いまの仕事との相性も見えてきます。
2026年10月5日 更新
どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。