強みの見つけ方|経験から掘る・人に聞く・診断で知る・短所から裏返す、4つの入り口と手法の使い分け

自分の強みがわからないときに使える方法を、経験から掘る、人に聞く、診断で知る、短所から裏返す、の4つの入り口に分けて整理します。モチベーショングラフ、他己分析、ジョハリの窓、強みの診断、リフレーミングなど、それぞれの手法で何がわかるかと選び方、強みを場面とセットで言葉にするシートまで紹介します。

4コマでわかる強みの見つけ方|経験から掘る・人に聞く・診断で知る・短所から裏返す、4つの入り口と手法の使い分け

自分の強みを聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。強みは、自分にとっては当たり前にできていることの中に隠れていることが多く、自分ひとりで頭の中から探すと、かえって見つけにくいものです。強みを見つける方法は、どこから手がかりを集めるかで4つの入り口に分けられるので、いまの自分に合う入り口から始めると、遠回りせずにすみます。

知りたいことから選ぶ早見表

知りたいこと・やりたいこと合う入り口主な手法このサイトの解説
夢中になれた経験から、強みの手がかりを探したい経験から掘るモチベーショングラフモチベーショングラフ
これまでの人生全体を振り返って、くり返し出てくる力を見つけたい経験から掘る自分史自分史
強みと弱みを、置かれた環境と一緒に整理したい経験から掘る自己分析SWOT自己分析SWOT
自分では気づいていない強みを知りたい人に聞く他己分析他己分析
自分の見え方と人からの見え方のずれを知りたい人に聞くジョハリの窓ジョハリの窓
強みを表す言葉の候補が、すぐ欲しい診断で知る強みの診断ストレングスファインダー・無料診断ツールの選び方
短所だと思っていることを、強みとして言い直したい短所から裏返すリフレーミングリフレーミング

迷ったら、経験から掘る入り口を1つと、人に聞く入り口か診断で知る入り口を1つ組み合わせてみてください。自分の経験から出てきた候補と、外から返ってきた言葉が重なったところが、強みとしていちばん使いやすい言葉になります。

入り口を選ぶ3つの軸

強みを見つける入り口は、経験から掘る・人に聞く・診断で知る・短所から裏返すの4つです。どれから始めるかは、次の3つの軸で選ぶと決めやすくなります。

使える時間。今日中に手がかりが欲しいなら、診断で知る入り口か、短所から裏返す入り口が向いています。数日かけられるなら、経験から掘る入り口や、人に聞く入り口で相手の返事を待つ方法が使えます。

ひとりでやるか、人の力を借りるか。ひとりで進めたいなら、経験から掘る・診断で知る・短所から裏返すの3つ。人に頼めるなら、人に聞く入り口を加えると、自分の頭の中からは出てこない候補が増えます。

言葉が欲しいか、場面が欲しいか。強みを表す言葉がまったく浮かばないなら、言葉が返ってくる診断や人に聞く入り口から。言葉はあるのに説明できる場面がないなら、経験から掘る入り口から始めるのが合います。

強みを見つける4つの入り口

経験から掘る

これまでの出来事を書き出して、その中から「うまくいった場面」「夢中になれた場面」をたどり、そこで自分が何をしていたかを言葉にする入り口です。手がかりがすべて自分の経験から出てくるので、見つかった強みを具体的な場面と一緒に説明しやすいのが特長です。

モチベーショングラフは、やる気の上がり下がりを1本の線で描き、上がっていた時期に何をしていたかを掘ります。自分史は年表の形で人生全体を振り返るので、時期が違ってもくり返し出てくる行動のくせが見つかります。自己分析SWOTは、強みを弱み・機会・脅威と並べて書くので、強みをどんな場面で使えるかまで一緒に考えられます。Will-Can-Mustの「Can(できること)」の円を書き出す作業も、経験から強みを掘る使い方ができます。

時間はかかりますが、ほかの入り口で出てきた言葉を確かめる土台にもなるので、どの入り口から始めても、いずれ一度は通っておきたい入り口です。

人に聞く

家族や友人、同僚に、自分の強みや「頼りにしているところ」を聞く入り口です。自分では当たり前すぎて気づかないことを、まわりの人は「すごいところ」として見ていることがあり、自分の頭の中からは出てこない候補が集まります。

他己分析は、質問を決めて複数の人に答えてもらう方法で、そのまま送れる質問リストを使えば、頼む側の負担も小さくできます。ジョハリの窓は、自分が思う自分と人から見た自分を並べて、「自分は知らないが人は知っている」盲点の窓に入る特徴を探します。

答えてくれる人がいることが前提になるので、聞く相手を2〜3人決めるところから始めるのが現実的です。

診断で知る

質問に答えると、強みを表す言葉が返ってくる入り口です。短い時間で、自分では思いつかない言葉の候補が手に入るのが特長です。

仕事での強みを詳しく知りたいときは、有料の強みの診断であるストレングスファインダー(クリフトンストレングス)があります。費用をかけずに試したいときは、人としての強みを測る無料の診断などを、無料診断ツールの選び方で比べています。性格の傾向を知るビッグファイブは、強みそのものを示すものではありませんが、自分がどんな場面で力を出しやすいかを考える材料になります。

返ってくる言葉は、その日の回答にもとづく候補です。言葉が当てはまる場面が自分の経験の中にあるかを、経験から掘る入り口で確かめると、使える強みになります。

短所から裏返す

自分の短所だと思っていることを、見方を変えて強みとして言い直す入り口です。「心配性」は「準備を丁寧にできる」、「頑固」は「一度決めたことをやり通せる」のように言い直すと、短所の裏側にある強みの候補が見えてきます。

リフレーミングのページでは、短所を長所に言い換える例を20組紹介しています。短所はすぐに思いつくのに強みは思いつかない、という人にとっては、いちばん入りやすい入り口です。

ただし、言い換えただけでは強みとは言えません。言い直した強みが実際に役立った場面を1つ探して、場面と一緒に書いておくところまでを1セットにしてください。

結果の扱い方と、気をつけたいこと

強みは、場面とセットで残す。「責任感がある」「人の話を聞ける」といった言葉だけでは、自分でもあとから読み返したときに実感がわきません。どの入り口から出てきた強みも、「どんな場面で、何をして、どうなったか」を1つ添えておくと、仕事選びや面接、日々の役割分担で使える強みになります。

診断の言葉を、そのまま自分の結論にしない。診断の結果は、その日の回答にもとづく候補です。当てはまる場面が見つからない言葉は、無理に自分の強みとして使わなくてかまいません。

人と比べて決めない。強みは、ほかの人より上かどうかではなく、自分の中で比べたときに、ほかのことより力を出しやすいこととして考えるほうが見つかりやすくなります。人より秀でていないと強みではない、と考えると、候補がほとんど残らなくなります。

短所の言い換えで、つらさを押し込めない。リフレーミングは、短所の裏側にある強みに気づくための方法で、つらいと感じていることを無理に前向きに言い直すためのものではありません。言い換えてもしっくりこない短所は、そのままにしておいてかまいません。

心の不調を自己分析で判断しない。自己分析の方法は、病気の診断や治療のためのものではありません。気分の落ち込みや眠れない状態が続くときは、自己分析より、医師やカウンセラーなどの専門家への相談を優先してください。

場面別のおすすめ

  • 就活:自己PRでは強みを場面と一緒に話す必要があるので、診断や他己分析で言葉の候補を集めたら、モチベーショングラフで裏づけになる経験を探す順番が使いやすいです。→就活の自己分析
  • 転職:仕事の経験が材料になるので、自己分析SWOTで強みを書き出し、同僚や元上司に他己分析を頼んで、職場で頼りにされていたことを確かめる組み合わせが合います。→転職の自己分析
  • 副業:本業では使っていない強みを探したいときは、自分史で仕事以外の経験までさかのぼると、趣味や地域の活動で発揮していた力が見つかります。→副業の自己分析
  • 日常:期限がないときは、毎日の出来事を書きためて、うまくいった日の行動を少しずつ集めるジャーナリングのような続け方が気軽です。→日常の自己分析

強みのエピソードシート(コピーして使える)

どの入り口から見つけた強みも、次のシートに1つずつ書いておくと、言葉と場面がばらばらになりません。1つの強みにつき1枚、まずは1〜3枚を目安にしてみてください。

強みの候補(言葉):
どの入り口で見つけたか(経験から掘る/人に聞く/診断で知る/短所から裏返す):
その強みが出た場面(いつ・どこで・誰と):
そのとき自分がしたこと:
結果・まわりの反応:
ほかにも同じ強みが出た場面(あれば):

強みが見つかったあとで

強みは、一度言葉にしたら終わりではなく、使うたびに確かになっていくものです。エピソードシートの「ほかにも同じ強みが出た場面」の欄に、これからも思い当たる出来事があるたびに1行ずつ書き足していくと、強みを裏づける場面が少しずつ増え、自分の言葉で説明できる強みになっていきます。強みを「何に使いたいか」まで考えたくなったら、やりたいことの見つけ方で、強みと重ねて候補を絞る方法を紹介しています。

よくある質問

自分には強みがないように思えます。どこから始めればいいですか?
強みが思いつかないときは、「強み」を考えるのをいったんやめて、これまでに「頼まれたこと」や「人より苦労せずにできたこと」を3つ書き出すところから始めてみてください。自分では当たり前すぎて強みと感じていないことほど、書き出してみると強みの手がかりになります。書き出したものを身近な人に見せて、ほかに思い当たることがないかを聞く他己分析と組み合わせると、候補が増えていきます。
診断で出た強みと、自分の実感が合いません。どちらを信じればいいですか?
診断の結果は、自分を表す言葉の候補として受け取り、実感と合う部分だけを使えば十分です。結果の言葉が当てはまる場面が自分の経験の中にあるかを探してみて、見つかったものは強みのシートに書き足し、見つからないものは無理に当てはめなくてかまいません。合わない結果が続くときは、診断を替えるより、経験から掘る入り口を試すほうが前に進みやすくなります。
強みは、いくつ見つければいいですか?
まずは、具体的な場面と一緒に説明できる強みを1〜3つ見つけることを目安にしてみてください。言葉だけの強みを10個並べるより、「どんな場面で、何をして、どうなったか」まで書ける強みが1つあるほうが、仕事選びや面接、日々の役割分担で使いやすくなります。

どの手法を選んでも、結果を日々に活かすのは「書いて、読み返すこと」です。